脱臼とは

肩関節脱臼のレントゲン写真
肩関節脱臼のレントゲン写真

脱臼とは、関節面において骨の位置関係が正常な位置から離れた所にある状態を言います。簡単に言うと、骨がはずれたものです。程度により完全脱臼と不完全脱臼(亜脱臼)に分類されます。

脱臼の症状

脱臼の特徴的な症状として、痛み・変形に加え「弾発固定」があります。
これは、「痛みのある関節を他動的に動かすとある一定の抵抗があるが、その力を緩めると元の位置に戻る症状」を言います。

脱臼のほとんどが肩関節

脱臼のほとんど(約50%)は、肩関節にみられます。その他は、肘関節、顎関節に続きます。脱臼が肩関節に多い理由は、その構造状上の理由によります。骨がはまる部分において、骨の頭の部分に対して関節を受ける部分が狭いために、転倒などの状況で強い外力が加えられると脱臼してしまうのです。 また、反復性(何度もはずれる)になりやすい所でもあります。肩関節の脱臼では、20才以下では8割が再脱臼を起こしているという報告もあります。

肘関節の脱臼

肘関節後方脱臼のレントゲン写真
肘関節後方脱臼のレントゲン写真

肘関節の脱臼は、後方に骨がはずれるケースが多くあります。受傷後肘の変形がみられます。骨折の合併を起こすこともあり、正確な鑑別と判断が必要とされ、整復後に腫れてきますので、固定は細心の注意を必要とします。整復の後の固定も大切ですが、後に肘の曲げ伸ばしを行うリハビリで完全に回復するには相当に時間を要します。半年から1年かかることもありますので、時間をかけて気長にリハビリ(治療)することが大切です。

肘内障(ちゅうないしょう)について 〜子供の肘の脱臼〜

子どもが急に泣き出して…

  • 手をダランと下げたまま動かさない
  • 手が上に上がらない
  • 手首が痛い
  • 肩がぬけた

と、お母さんが顔色を変えて来院されることがあります。

原因は、子どもの手を急に引っ張った、遊んでいて布団の上で転倒した際にひねった、などです。これは、『肘内障(ちゅうないしょう)』と言って、いわゆる子どもの“肘の脱臼”です。正確には、輪状靱帯という部分から骨(橈骨頭)の先端が、亜脱臼して痛みと機能障害(動かすと痛い)を起こした状態です。

比較的簡単に整復できることが多いですが、中にはなかなか入らないケースもあります。過去に当院で遭遇した例ですが、親御さんが、「大丈夫かな?」と丸1日様子を見ていて、翌日来院されました。痛みのある部分が腫れを起こして、なかなか通常の整復法では入りませんでした。その場合、先達の先生に教えていただいた特殊な整復法(2~3パターンあります)を施し、整復出来ました。

また、こんな例もあります…

7才の男の子が、「跳び箱を跳ぼうとして、誤って転倒して手をついた」ということで親御さんと来院されました。過去に肘内障を患ったこともあり、「今回も同じだろう」と思われたようです。
しかし症状は、肘を動かさない状態は肘内障と同じですが、明らかに腫れが見られ、痛み具合が違いました。超音波画像検査装置(エコー)観察を行うと、骨折を疑う画像が確認されました。病院へ紹介し、レントゲン検査にて「肘関節外顆骨折」の診断を得ました。

▼右肘:健側(良い方) 左肘:患側(痛めた方)