殺法(さっぽう)と活法(かっぽう)
もともと武道の中に殺法(さっぽう)と活法(かっぽう)とがあり、殺法は所謂人を倒す術です。人を攻撃する術とも言えます。
2014年の大河ドラマ『黒田官兵衛』で主役をしている岡田准一くんは、ジークンド-(ブルース・リーが創始)、カリなどいろいろな武術を体得し、師範代の免許を持つことで有名ですが、まさに彼が習っているものが殺法といえるかもしれません。基本的に護身術となっているようですが…
一方、活法は「人を活かす」術と言えます。もともとは殺法に対してのウラの技として、蘇生の方法としてまた、医術として活法が存在していました。
また、我々柔道整復師の源流となるものに柔道がありますが、その大本は柔術であります。柔術は、日本古来の武術で、江戸の末期には100を超える流派が存在したとのことです。しかし、時代ともに一部の流派を除き、ほとんどがなくなってしまっています。明治15年に嘉納治五郎先生が、講道館において柔術を基にして、創始されたのが『柔道』になるわけです。
柔術と活法と柔道整復術
その柔術の裏技として、活法も存在しておりました。しかし、その活法も一子相伝・口伝としていたため、一部を除きほとんど存在がなくなっています。
昔の柔道家は、その柔術を会得した方々が多く、柔道により練習中に骨折・脱臼などのケガも多かったため『柔道整復術』が体系付けられていきました。整形外科の医師が骨折・脱臼などのケガを主に扱うずっと以前から、そのケガを治す術を柔術をもとにした整復法を用いて、健康に導いてきた先人の先生方は本当に凄いと思います。
私の家系
父は、昭和33年に柔道整復師の養成学校を卒業し、柔道整復師となりました。父は、大阪の接骨院に住み込みして修行に励み、苦労して柔道整復術を会得して、姫路に帰郷してから『藤井柔道整復院(のち接骨院)』を開業しております。
その父も、平成24年2月 享年77歳にて不慮の事故にてこの世を去りました。地元で開業後53年間、患者さんのことを常に考え、まさに治療一筋の人生であったと思います。
その父の3人息子の長男として、治療家3代目として今の自分があります。私の末の弟もたつの市で、「フジイ整骨院」を開業して父の後を継いでくれています。