“足首をひねってしまった”
捻挫(ねんざ)をした時に、一日でも早く治したいとき。
あなたは、どんな方法があるかご存知でしょうか。
足首をひねって、捻挫(ねんざ)してしまった。
特に試合が近いので、なんとか早く治る方法はないものか?
「大会が近いので、なんとかしてほしい」
「学生最後の試合です。どうしても出たい」など、
いろんな悩み・希望を訴え来院されます。
また、捻挫(ねんざ)だと思って来たけど、実は“骨折”の疑いがあるということは
よく経験してきました。
当院では骨折の疑いは、エコーを使用することで臨床経験に加えより確実な判断が可能です。
※骨折の疑いがある場合は、お世話になっている近隣の医療機関(総合病院・整形外科)に、
患者さんの希望を優先しながら、対診をお願いしております。
さて、
先に例を挙げた捻挫(ねんざ)の学生さんの例ですが、
最近の考え方で捻挫はできるだけ痛みがない状態で、
ある程度靭帯に刺激を加えながら加療していく方が、
早く治ることが分かってきました。
安静にせずに無理ない程度に歩いていただきます。
そうすることで足回りの筋肉も衰えることなく復帰が早くなるのです。
特に昔から捻挫したときは基本的なRICE処置(※1)が有名ですが、
実はヒール付ギプス・軽度であれば包帯またはサポーターを行い、
ある程度歩かせることで痛めた靭帯(じんたい)に適度刺激を加えた方が早く治ることが分かってきました。
(もちろん程度によりますので、医療機関の指示に従ってください)
特に、捻挫の損傷程度がⅡ度以上の状態で、
「初めて捻挫した」
「とにかく早く治したい」
「後遺症が心配」
という学生さんには、『ヒール付ギプス』をお勧めしています。
確実に痛みと腫れが早くとれ、靭帯の緩みを予防することが可能となるこの方法は最強です。
つい最近も「試合が近いのでなんとかならないか」と中学生の女の子が来院されました。
走行中に誤って足首をひねり負傷し、地面に足をつけられない状態(ケンケン)で来院されました
骨端線という成長線の疑いもあったので、エコーで確認したところその疑いはなくなりました。
加えて本人と保護者の方のお話しを聞いていると、半年前にも反対の足を捻挫して、
今回はじめて逆の足首を捻挫したとのことでした。
今回痛めた足側は、初めての捻挫で損傷程度も2か所に靭帯の損傷が疑われたため、
迷わずヒール付ギプスをおすすめしました。
【結 果】
ギプスを巻かせてもらい、1週間後に除去したときにはすっかり腫れも痛みもほとんどなく、
普通に歩くことができるようになっておりました。
本人・ご家族の方もびっくりしておりましたが、たいそう喜んでいただくことが出来ました。
ギプスが取れた後も当院独自の特殊なクッションを使用した運動プログラムで、
早期回復を目指します。
ねんざ(捻挫)は、甘くみてはいけません。
特に初めての捻挫を中途半端にすると、いわゆる捻挫グセ(※2)を起こす恐れがありますし、
将来『変形性の関節症』といって慢性的な痛みをともなうこともあるのです。
※1 RICE処置
一般的に言われているケガをした際にとられる応急処置の方法です。
R(Rest)安静・I(Ice)アイシング・C(Compression)圧迫E(Elevation)挙上の頭文字をとって、
RICE処置と言われます。
※2 捻挫グセ
捻挫を繰り返し起こしてしまうことをこのように表現することもあります。
一般的な“クセ”とは違い、捻挫の処置がしっかりと行われなかった又は、
完治するまで治療せず中途半端にしてしまったことにより、
靭帯が伸びた状態で固まってしまったり、
切れた状態で放置されて小石を踏んだだけの少しの原因で捻挫をおこしてしまうこともあります。
捻挫は、初期処置が大切ですが、その後のケアも大切です。