はじめに
毎日暑い日が続きます。
不幸にも熱中症でお亡くなりになったという報道が、連日続いております。
くれぐれもご注意くださいね。
さて、
本日は、昨今の健康ブームもあって、スポーツを楽しむ大人の方も増えております。
その中で、本日はテニスが好きで毎日のようにプレーをして
楽しんでおられる50代の女性の方が、肘が痛くて悩んで来院されました。
この度のブログは、いわゆるテニス肘で悩む方に向けて
なぜ肘の痛みが続くのかそのメカニズムと対応方法について
書かせていただきます。
このブログを読むことで、テニス肘について詳しくなると共に
対応方法についても理解できると思いますので、最後までお読みいただけますと
幸いです。
肘が痛くてほんとイライラする。テニスをしない方でも経験するテニス肘とは。
子育ても一段落した50代女性患者さんは、Yさん。
ママさんバレーボールを長年やっていたYさんは、
子育てが終わったころからさらにからだを動かしたいと
週に4回、4~5時間 テニスを頑張っておられました。
そのような中、練習中に右肘に痛みを覚えるように。
「すぐに治るだろう」とそのまま練習を続けたある日、
ラケットでボールを打つのも困難な状況になってしまいました。
さすがにヤバイと感じたYさんは、ネットで当院のことを探して受診されました。
当院を受診される前は、ご自身で湿布を貼ってみたり、
自分なりにYouTubeで見たストレッチの方法を試した様子をみておられたようです。
しかし、テニスはやりたい。
休みたくない気持ちも優先してがんばっておられました。
Yさんの肘を見せていただくと、肘に炎症をおこし腫れた状態でした。
また、エコーで状態を確認させていただくと、
数か月我慢していたために、肘についている筋肉が引っ張られたことで、
骨の部分が少し変性しておられました。(骨棘<こつきょく>と言います)
<参考エコー画像>
1.まずは、痛みのない方の肘の画像
矢印の部分を確認していきます。
2.痛みのある方の肘です。
矢印の部分が痛いところ(押さえて痛い)です。
※上の痛くない側の画像と比べると、白い線の部分(骨)が乱れています。
また、その乱れた線の上側が痛みのない方と比べると、黒い部分が見えます。
これが、腫れた部分になります。
3.さらに、同じく痛む部分を角度を変えて撮影すると、
尖った線が出ています。
これが、骨棘(こつきょく)の画像です。
Yさんの肘の痛みは、基本的には使いすぎのよるものです。
テニスが上手くなりたいという思いで、一生懸命に練習されていました。
結果、
がんばりすぎたことで肘に負担がかかってしまい、痛めてしまうことが多いです。
<テニス肘のメカニズムについて>
手首から肘についている筋肉(短・長橈側手根伸筋)の肘側にくっつくところで、
ひっぱられて痛みがでてきます。
特に手首をよく使うことで、負担がかかり痛めてしまうので、
テニスをする方以外でも起こる事があります。
この痛みと症状のことを、いわゆる「テニス肘」と呼んでいます。
肘の外側が痛むテニス肘。なぜ、この痛みは続くのか?
この肘の痛みは、なかなか治りにくい事が多くあります。
その理由のひとつに、なかなか痛めたところを制御できないことが上がられます。
使わないことが一番ですが、日常でも手首を動かしたり、
肘を曲げたりしますよね。
また、テニスなどスポーツをする方の中には、余計に肘に負担がかかる要素が隠れていることもあります。
今回お見えになったYさんの状態で言うと、特に気になったのは以前に痛めた左ひざのトラブルも影響していると思われました。
ひざが痛いことで、左の下肢の踏ん張りがきかなくなってしまい、
いわゆる手打ち状態になっていることが想像されました。
足からのエネルギーが上半身に伝わりにくいため、肘のトラブルをまねてしまったことも今回痛めてしまった要因でした。
今回のトラブルは肘のトラブルではありますが、
肘だけでなくひざ関節を含め、からだ全体のバランスを整えていくことで肘に負担がかかっていた状況を変える必要がありました。
まずは、肘そのもののトラブルを解消するための治療と体全体のバランスをとる治療を平行して行っていきました。
その結果、Yさんの肘の痛みは徐々に無くなり、テニスのプレーを続けるように回復されていきました。
肘の外側の痛みはこうして対応する。テニス肘は根気と時間が必要。
テニス肘の痛みは根気よく治療とケアを続けることで
次第に痛みと症状はラクになっていきますので、ご安心ください。
ここでテニス肘の時に良い対応方法について3つ書かせていただきます。
1.ストレッチ
手首から肘にかけてつながっている筋肉を伸ばして柔軟性を取り戻しましょう。
<ストレッチ1>
手首から肘の上側についている前腕の筋肉を伸ばします。
手首を掌屈して、反対の手で指の部分を持って
ゆっくりと10~20秒を3回セットで伸ばして下さい。
呼吸は止めないで気持ちの良い程度で、お風呂上がりなど温めたあとに行うと効果的です。
<ストレッチ2>
次に、
腕の反対側である内側の筋肉も伸ばしてください。
上と下の両方をバランスよく伸ばすことが大切です。
やり方は、1と同様です。
2.テーピング
市販されている伸びるテープを使います。
当院では、キネシオテープを使用しております。
※ネットでも購入できます。
「キネシオロジーテープ」で検索してみてください。
手首から前腕を覆ってから肘の痛みがあるところの少し上の
ところまで貼ります。
前腕の部分を少し伸ばして、テープは引っ張らずに貼ることが
コツです。
手首と肘の部分をさらに横から補強するように貼るとさらに効果的です。
3.サポーター(テニス肘バンド)
肘の痛む部分から指3本分の幅 手首側へ下がったところへ
あまりキツく締めすぎないようにして巻き付けるように装着します。
※こちらは、スポーツ量販店、薬局などで購入できます。
まとめ
テニス肘は、肘の痛みではありますが、どこかほかにそのトラブルの原因が隠れていることもあります。
なかなかとれない時間のかかるテニス肘の症状ではありますが、根気よく治療をすることで改善していくことも多くあります。
もし、肘の痛みで悩んでおられる方おられましたら、一度当院に御相談いただけますとお力になれるかもしれません。
そのような時は、ご連絡いただけますと対応させていただきます。